日本が昔、ハイパーループみたいなものを作っていた話

雑学

ハイパーループとは、イーロンマスクの話題でも出てくる、真空の管の中を高速で移動する鉄道のことである。
何でわざわざ管の中を真空にするかというと、空気抵抗を無くすことにより、高速で移動できるようにするというしくみである。
実は昔、日本が似たようなものを作っていたのをご存知だろうか?
今回はそんな日本の夢の跡を紹介する。

1970年代、当時名城大学理工学部教授だった小沢久之丞を中心とした開発チームにより、「ロケット列車」の実験が行われていた。
仕組みは前述と同じ仕組み。
燃料はニトログリセリン。
列車の中にはカエルとカメが入れられた。
実験は1972年にカエルとカメが中に入って生きたまま1600mの距離を3秒で列車が完走。
時速にして2500km。
東京大阪間を約9分で走り抜ける距離である。
実験は成功したかに見えた。

そして2023年現在、何故ハイパーループが実現していないのか。

理由は安全性を確保できなかったためである。
例えていうなら、地球から宇宙に行こうとすると、約100kmの距離がある。
現在の技術のロケットなら10分で到達する。
しかし、宇宙飛行士はその短い距離をロケットで飛ぶために基礎訓練を約2年、さらに維持向上訓練を継続して行わなければならない。
そこまでの訓練をしても6~7Gの重力しかを耐えられない。
前述の「ロケット列車」は30Gも重力が掛かってしまうため、とてもどんな超人でも耐えれる訳がない。
因みに1Gが地球の重力である。
内蔵が破裂して死んでしまう。

スーパーマンやウルトラマンなら耐えれるだろうが彼らなら自力で飛んだ方が手っ取り早いだろう。

おまけにそんなに早い物体を止めるブレーキの技術がない。
そんな理由があったため、「ロケット列車」の研究は凍結されることになった。

これが日本のハイパーループの研究の顛末である。
さっきの問題点が解決できないため、現在も実現の目途が立っていない。
現在、アメリカと中国がハイパーループの研究をしているが、どうなることやら。

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