最近名前聞かないけど面白い邦画5選

レビュー

「邦画の実写はつまらない」最近よく聞く言葉である。
確かに最近、「シン・ゴジラ」や「シン・ウルトラマン」で再び実写邦画に盛り上がりを見せていたりする(全部庵野秀明が関わっている作品だが)が、それ以外の邦画が話題になることがあまりない。
だがしかし、昔は実写作品でも十分話題になっていたりしたものであったりする。

そこで、今回は私が見た中で、お勧めしたい邦画実写映画を五つ程紹介する。(黒沢映画とかゴジラは有名なので、あえて除外している)

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ

この映画は昭和の怪獣映画では最高傑作ではないかというぐらいクオリティが高い。
それもそのはず、実は円谷英二を中心としたゴジラ映画のスタッフによって作られている。
だがそれだけで高いクオリティを実現できた訳ではない、ちゃんと他の怪獣映画と差別化に成功している。

まず、自衛隊や怪獣の描写が丁寧である。
最近だと、「平成ガメラ三部作」や「シン・ゴジラ」みたいに自衛隊の描写にリアリティのある怪獣映画が有名だが、この作品はそういった描写を最初にやった怪獣映画だと言われている。
しかも自衛隊が怪獣相手に善戦する。
ゴジラだったらただのやられ役で終わることが多いが、本作ではそれがない。
パラボラアンテナ型の兵器「メーサー殺獣光線車」のインパクトが凄い。(後年のゴジラ映画にも出てくる)

他にも、怪獣が小さく設定されており、その分建物がでかく作られている。
その分、壊れるときの迫力が凄いのだ。
しかも出てくる怪獣が人型で、しかも動きが速いため、見ごたえがある。
(人型の怪獣を出したのも、昔の恐竜型のゴジラのスーツが重くて動かしにくいことからである)

実はこの映画は漫画「進撃の巨人」の元ネタになった映画でもある。
作中に怪獣が人間を食べるシーンがあり、それが「人間を食べる巨人」の発想のもとになっている。
他にも劇中に出てくる怪獣「サンダ」が「進撃の巨人」に登場する「獣の巨人」に少し似ている。

魔界転生(1981年版)

原作がFate stay nightの元ネタと言われている。
内容は、江戸時代の剣豪、柳生十兵衛が宮本武蔵、柳生但馬守宗矩、天草四郎と、歴史上ではありえない組み合わせで激闘を繰り広げる内容になっている(この三人は作中で既に死んだ人物で、地獄から蘇った)。
監督は「仁義なき戦い」や「バトルロワイアル」で有名な深作欣二。
柳生十兵衛を演じるのは千葉真一で、かなりのはまり役。
天草四郎役は沢田研二、一応書いておくが、この人は元々俳優ではない、歌手である。
にも拘わらず千葉真一とW主演という破格の扱いだった。
ただ雰囲気はものすごく天草四郎と合っており、事前の情報を知らなかったら何にも違和感がない、この点は流石だと言わざるを得ない。
最大の見せ場はラストの燃える江戸城の中での柳生十兵衛と柳生但馬守宗矩の決闘のシーンである。
実はこのシーン、本当に燃えている場所で撮影している。
これ程迫力のあるシーンは中々無いため、一見の価値がある。

人造人間ハカイダー

漫画「人造人間キカイダー」のスピンオフ映画
このハカイダーは元々キカイダーのライバル的なキャラクターであり、日本のダークヒーローの頂点ともいわれているキャラクターで、現在も人気が高いキャラクターであり、本作はこのキャラクターを主役にした作品である。
いわゆる特撮ヒーロー映画だが、アクションはしっかりしているし、演出もかっこいいので原作を知らなくても普通の人にも勧められる。
監督したのは「牙狼」の雨宮慶太で今作のキャラクターデザインをした人物である、そのため、彼の作家性が存分に反映されてある。
彼の監督した他の作品も傑作が多いので、もしこの作品が気に入ったら、確認するのもいい。

大魔神

時代劇と怪獣映画を組み合わせた独特な映画。
もし黒沢映画以外の時代劇でお勧めの映画は無いかと聞かれたら、私は間違いなくこの作品を勧める。(魔界転生もだが)
本作はとにかく、時代劇と特撮の相性が物凄くいい。
ちゃちっぽさが全くないと言っても過言ではない。
昔話を実写でやった感じがして、映像のクオリティが高い。
そして作中に登場する大魔神だが、姿が埴輪みたいな感じになっている。
これは、作中の時代が戦国時代で、その時代から昔と言えば、縄文とか弥生時代ぐらいしか当たらない。
そしてこの大魔神は太古の昔から存在する存在なので、江戸時代でも違和感がないように埴輪のような姿になっている。
公開当初はものすごく人気が高く、後年の野球選手の佐々木主浩のあだ名は本作に因んで「大魔神佐々木」だった。(ゴジラ松井に対抗したもの)
それぐらい本作は公開当初人気が高かった。

海底軍艦

兵器を主役にした珍しい特撮映画。
本作は1960年代に作られた特撮映画なのだが、怪獣とかの怪物を主役にしない映画は結構珍しく、本作はその貴重な一本である。
恐らく、軍艦や戦艦を主役にした初めての映像作品だと思われる。
「宇宙戦艦ヤマト」は本作を参考にして作られた。
この作品も円谷英二を中心としたゴジラ映画のスタッフによって作られている。
内容は、世界征服を目論む古の国「ムー帝国」(ムー大陸の国)に大日本帝国海軍の残党が自分達で建造した万能潜水艦「轟天号」で挑むという風になっている。

多分、今作ったら大ヒンシュクものだろう、戦後という時代だから作ることができた傑作。
とにかく、轟天号のアクションや街の陥没、ムー帝国の崩壊のシーン等、特撮の見せ場が多い作品。

コメント


タイトルとURLをコピーしました